平成3年5月1日発行 記念誌寄稿より引用



       岩手高校体操と国体の想い出     斉藤 勉  昭和26年卒業(新3回生)


   岩手県体操協会40周年を心からお祝い申し上げます。

  さて40年前をおぼつかない記憶でたどってみようと思います。

  私と体操の出会いは、兄が岩手師範時代に体操をやっていたことがその始まりでした。

  高一(昭和23年)になったと同時に入部しこの出会いが多くの善友、悪友を得て自分の人生に

  とって大きなプラスとなったことは確かです。

   当時の体操部は、顧問に足澤先生、三年に鳴海さんと三浦さん、二年に四戸さん、吉川さん、仙さん、

  日向さん、中村さん、一年に小林君と私というメンバーだったと思います。体操部の人達は大変朗らか

  で特に鳴海さんは「おもろ」かった。新入部員である私はすぐにその環境にとけこむことができ毎日が

  楽しく練習ができ有意義な高校生活でした。

  第二次世界大戦後間もない頃でしたので岩高体操部の設備などは充分でなく設備のよく整っている盛

  岡一高の体育館で鈴木衛先生のご好意により毎日のように練習させて頂き、また先生のご指導も受けそ

  のお蔭をもって岩高体操部は黄金時代が築き上げられたといっても過言ではないと思っています。

   私は国体に三回出場しましたが、なんといっても忘れられないのは、高校最後の第五回の国体(昭和

    25年於愛知県)で、エースの小林君、確実な米内君(盛一高)と私でチーム・ワークよく団体三位になっ

  たことと、それに種目別選手権を兼ねていましたので小林君が平行棒で優勝、私が跳馬で三位になった

  ことでした。その時、加藤昌得先生から「よくやった」と褒められ大変嬉しかったことを憶えています。

  40年過ぎた現在、若い頃を懐かしく思いながら記してみました。

  最後になりましたが、足澤先生、鈴木衛先生をはじめ先輩諸兄、諸姉に大変お世話になりましたこと

  を厚く感謝し結びといたします。