輝ける戦績


    アイスホッケー部  伊藤昭一郎(旧17回生)

  昭和17年9月伝統ある岩手中学アイスホッケー部に入部した。同級生は、佐々木秀勝、内田庄吉    (旧17回生)と小生の三人であった。最上級生は高田玄二郎、赤坂祐三、一方井安治、太田重義、4年生太野登(GK)、川村裕、高橋秀蔵、3年生大沢靖、寛良夫、岩崎卓郎、2年生大山哲男、出渕肇、藤沢道男、諸先輩と一緒だった。
 盛岡中学、八戸中学に勝って東北大会で優勝した頃でした。
当時岩手医専には、太田重徳、寺島国男(旧8回生) 先輩が、華靂なる雄姿を高松の氷上で乱舞して、全国専門学校大会で準優勝したのもこの頃だったと思う。
 翌18年は戦時中でもあり、敵国スポーツ中止により、休部となった時代でもある。
それ以前は川崎武久(旧6回生)先輩が明治大学のアイスホッケー部で活躍し、岩手中学に初めてボディーチェックを導入したとも言われていた。
 また、日本大学には作山実(旧10回生)、高田玄二郎(旧13回生)は中央に進出したが、やり戦時中で一時中止だったと言われている。
昭和20年の終戦の秋に、再びアイスホッケを復活したのは、私ども(旧17回生) だった。監督は佐藤清八郎(旧11回生)先輩で、高松の池に合宿し練習していたが、練習中毎日のように先輩が復員してきて、しごかれたものである。
 早朝練習に先輩チームと練習試合を行った。先輩に勝ったら朝食をさせると言って、終日食事を取れなかったこともある。川崎武久先輩、中村勝二先輩、佐々木宗七先輩、作山実先輩、大崎正夫、鹿内祐介、佐藤喜代治先輩が戦後松尾鉱山にチームを作った方である。
 練習の結果盛中に2−1で勝ち、県連より岩中、盛中と混成チームで八中に遠征してやはり2−1で勝ったのもこの頃だった。
岩手日報は八戸が脚力が勝り優勢であったが、GK伊藤の好守備で勝ったと掲載していた。
 翌21年は第1回の国体もあって、雪ノ浦弘(旧17回生)も加わりチームが向上したが、苫小牧工業に敗れた。その年が明けて2月だったと思うが、関東選手権の名称で準日本選手権大会が日光で開催されて、オール岩手中学の名称で川崎武久、鹿内祐介、立花喜久男(旧9回生)、赤坂祐三、一方井安治、作山実、佐々木宗七先輩に混じって小生と雪ノ浦弘、小林徹生の中学生3名が参加して、第1回戦は全早稲田大学と2−3で勝ち、2回戦は日本代表と言われた慶応OBチームと戦って互格に勝負したが2−3で敗れた。
 翌日の岩手日報には小生のGKの防御が悪く敗退したと書かれた。
翌22年に卒業して小生は日大、佐々木秀勝は早稲田、石川光悦は明大へ、盛中のキャプテン瀬川洋は日大、川村裕日大に進学、岩手医専には赤坂祐三、出渕肇、盛岡工専には一方井安治、日大の学部に高田玄二郎、作山実先輩が入学した。
 翌年23年に東京8大学対抗戦があって、そのほとんどのチームが満州の中学卒が過半数占めている中で、小生の日大チームに苫小牧中の石井、苫小牧工業の黒川、盛中の野村が加わり、予想は1勝もできないレベルと称されたが初戦明大に、2回戦は中央大、決勝は立教に2ピリまでリードしたが、力尽きて準優勝になったのもわが岩手中学勢の底力を見せたものと思う。
 また、太田重徳先輩が亡くなり当時素晴らしい選手であったことを記念して中学生大会に太田杯大会を開催したこともあった。
 第2回国民体育大会が長野であり、国鉄工場が北海道を破り優勝した。このチームに名ディフェンス中村二一(旧9回生)そして大崎正夫(旧11回生)がいた。
 翌年24年小林徹生(明大)雪の浦弘(慶大)中嶋勇(法大)北田昭三(法大) 立花茂理栄(法大)渕沢敬吉(法大)をはじめ、その後平成に至るまで数多くの部員が各大学に進学活躍したのは、先輩の活躍と歴史に加え、部長になった故日野岳浩(2回生)先生の母校に対する功績は偉大であり賞賛されるものと思う。
 ふり返り、戦後大変な時期、食料が無く仕事が無い時、佐藤清八、赤坂祐三、佐々木宗八に監督して頂いた事は当時の部員に代り厚く感謝致します。
 また地元の岩手医大には、赤坂祐三主将の下に出渕肇、大山哲男に小生が加わり全国医大リーグの連続優勝の歴史も岩中魂の成果の現われでした。
 この時期頃から高松の池の氷結が遅くなり、2月初旬より松尾鉱山の蔭沼に佐藤喜代治先輩のお世話にて岩中、医大の合宿練習ができた結果とも思います。
 戦後半世紀を経た今日まで岩高時代に、国体インターハイ準優勝2回あったと記録されています。
母校創立7 0周年を機会に再び優秀なる戦績を残すことを期待しております。
なお、平成元年から4年までインターハイ連続出場。


岩手中・高等学校 石桜70年誌よりCP引用しました。

 岩手高等学校アイスホッケー部OB会 名誉会長の伊藤昭一郎氏 2008.7.24にご逝去されました。
 長い間大変お世話になりました。ご冥福をお祈りします。