小山田 智彰さん(岩手高校 36回生 昭和59年卒業)

アツモリソウ新品種「ルビーイワテ」 を開発し
園芸界の世界的権威である英国王立園芸協会 に品種登録



小山田 智彰さん
 岩手県環境保健研究センター主任専門研究員の小山田 智彰さんは15年かけて試験研究を重ね
   アツモリソウ新品種「ルビーイワテ」を開発し、英国王立園芸協会に品種が登録されました。
    同協会は園芸界の世界的な権威であり審査はなかなか厳しく、登録は研究者の憧れでもある。

英国王立園芸協会
のマーク


エリザベス女王

 英国王立園芸協会は英国王立典法による特別公益法人
 創立は1804年 総裁はエリザベス女王
 本部はロンドンのビンセントスクエア
 世界に約37万人いる会員に様々な情報を発信し、園芸普及のための
 活動をしている。
<拡大写真>

CYP.Ruby Iwate ’Iwate Komachi’ ルビーイワテの開花株 ルビーイワテの開花(拡大)
写真提供 小山田 智彰氏

  「ルビーイワテ」は岩手産アツモリソウと外国アツモリソウ属品種の交配種を親に、さらに岩手産と交配。
    2005年から試験を始め、08年に開花を確認して、子孫に異変が出ないことも確認し、今年(2010)3月に
    英国王立園芸協会に登録申請した。  
 
  アツモリソウは発芽率が低く周囲の環境にも敏感とされているが「ルビーイワテ」は丈夫で育てやすいのが特徴
    又、花は、鮮明なルビー色で、側弁がやわらかくカールを描き、独特の芳香が周囲に漂い、花茎が葉の上にバランスよく
     上品に伸長します。
    非常にスタイルが良く、株の増加も極めて良いのが特徴で、全国の初心者や女性の方にはとても好まれることと思われる。

  今年3月に英国王立園芸協会に登録申請を行った結果、新品種として認められ、リンネ学会フェローの大槻葉子さんの
     はからいで「岩手小町」(栽培品種名)と命名された。

  「ルビーイワテ」の特徴は一株から花が15個位咲くことです。(今迄のアツモリソウは、花が1株1〜3個位)

「ルビーイワテ」以前の登録

  今回の「ルビーイワテ」の英国王立園芸協会への登録は2回目で小山田 智彰さん単独の登録です。

  
1回目に登録は「モント」「イワヒメ(登録 8 September 2008)で岩手県立大学総合政策学部の
     平塚 明教授と共同研究開発でした。
     
     
「モント」は北海道に自生する「ホテイアツモリソウ」を母親に用いている。 
   
    「イワヒメ」は岩手に自生するアツモリソウを用いており、これが日本初の登録です。

Cypripedium Monto ’モント’ ’イワヒメ’
写真提供 小山田 智彰氏

英国王立園芸協会 登録証明書
Ruby Iwate   9 March 2010 Monto   8 September 2008 Iwahime  8September 2008
登録証明書は拡大してご覧ください  証明書提供 小山田 智彰氏

小山田 智彰さんのProfile
    
    岩手高等学校 昭和59年卒業(36回生)
      部活はブラスバンド 菊地前校長 川村康二先生より猛特訓を受ける
   北里大学大学院(獣医畜産学研究科)卒業
   岩手県教員 (盛農、遠野緑峰、盛農)を経て 現在 岩手県環境保健研究センター 地球科学部 主任専門研究員
    岩手県立大学社会人入学 博士課程(今年卒業予定)

   南瓜 「南部一郎」 を開発
   自宅に試験室を作り、世界から集めたアツモリソウを研究
アツモリソウは絶滅危惧種
  
  
アツモリソウは環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されており、国内では最も激しく乱獲、盗掘されている品種で
    自生種は絶滅に近い状態です。
    そのため「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年6月5日法律第75号)にもとづき、
    1997年に「特定国内希少野生動植物種」に指定され、現在では環境大臣の許可をうけた場合などの例外を除き
    採集等は原則禁止されている。
    違反した場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処られる。
 

このページの説明文の一部は、小山田 智彰氏の「趣味の山野草」の掲載文より引用